エルが心を開くまで|不安の奥で始まった変化

体験談・スピンオフ

まだエルは落ち着かない。噛みつきも強く、ミミとは正反対の性格。じこじこ鳴きながら手から逃げようとする姿を見るたびに、「いつ心を開いてくれるんだろう」と焦りを感じていました。けれど、毎晩同じ場所で眠る二匹を見ていると、少しずつ“信頼の種”が芽を出しているようにも見えました。

エルとの距離が縮まらない日々

二週間が過ぎても、エルは警戒を解きません。ミミがこちらを見て近づいてくるのに対して、エルはいつも奥で隠れています。同じフクロモモンガなのに、ここまで性格が違うのかと驚かされる毎日でした。エルの警戒心を無理に解こうとすれば逃げてしまう。それでも、逃げるたびに「少しでも信頼してくれたら」と願いながら、そっと手を添えて過ごしました。

「圧をかける」抱き方で見えた変化

のびもさんから「ママのお腹の袋は少し窮屈」という話を聞き、両手で包み、わずかに圧をかける抱き方を試しました。最初は抵抗していたエルが、少しずつ動かなくなり、呼吸が落ち着いていきます。やがて、指先に伝わる鼓動が穏やかに変わり、手の中で眠ってしまいました。初めて見るその穏やかな顔に、胸の奥が熱くなりました。

眠りの中にあった安心のサイン

その後も同じように包むと、エルは決まって静かに目を閉じます。普通に掴むと逃げるのに、この抱き方の時だけは安心して眠る。「信頼」とは、こういう“条件つきの静けさ”から始まるのかもしれません。焦る気持ちは残っていても、エルが少しずつ私を受け入れてくれていることを確かに感じました。

性格の違いが教えてくれたこと

エルが隠れ、ミミが守るように前に出る——この構図はずっと変わりません。初めて顔を合わせた瞬間に相性や立ち位置が固まるというモモンガの特性を、のびもさんから聞いていました。人間関係でも同じかもしれません。誰かと“合わない”と感じるのは拒絶ではなくリズムの違い。無理に合わせず、静かに寄り添うことが大切だと、エルとミミが教えてくれました。

焦らず見守るという選択

夜、部屋の灯りを落とし、パソコンの明かりだけが微かに揺れる時間。手の中で眠るエルの呼吸が穏やかに伝わってきます。その温もりを感じながら、「焦らなくていい」と心の中でつぶやきました。心を開く瞬間は、派手な出来事ではなく、こうした静かな夜の中にある。その小さな一歩を信じて、これからも見守り続けようと思います。

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